誤嚥性肺炎とは 

食物や唾液などが誤って器官を通して肺に侵入し、細菌感染を起こして肺に炎症を起こすことです。

どういう人がなる? 

飲み込む力が衰えて嚥下障害を有する人です。特に、高齢者やパーキンソン病、脳梗塞など脳血管障害の既往のある人 がなりやすいといえます。

誤嚥性肺炎になると 

日常の生活自立度が低くなります。また、最悪の場合は死に至ることもあります。日本人の死因の第三位である肺炎のうち、誤嚥性肺炎はその約80%を占めており、一度起こすと何度も起こしやすい体質になります。

予防するには?

生活習慣を見直し、適度な運動を行うことが最も効果的です。特に、 高血圧や糖尿病、喫煙歴がある人などは注意が必要です。普段から医療機関を受診し、嚥下検査をしてもらったり、食事の形態などの指導をしてもらうことにより、予防につながります。また、誤嚥性肺炎になっていたとしても、周囲の人がちょっとした変化に気づき、早めに専門機関に相談するなどの対処をすることが大事です。

摂食嚥下障害とは 

食べてからものを飲み込むためには、以下の5つのステップがあります。

  1. 食べ物を認知する (先行期)
  2. 咀嚼し唾液で食塊を形成する(準備期)
  3. 食塊を舌に乗せる(口腔期)
  4. 口腔から咽頭に送る(咽頭期)
  5. 咽頭から食道に流し込む(食道期)

これらのうち、1つでも働かなければ、食べる行為は達成されません。
したがって、1つ以上障害がある病態を摂食嚥下障害といいます。

不顕性誤嚥とは 

上記の摂食嚥下障害のうち、主に咽頭期で起こるものを指します。通常、誤嚥をするとムセるなどの防御機構が働きますが、不顕性誤嚥は誤嚥してもなんの誤嚥兆候が起こりません。したがって、周囲から気づかれないことが多く、熱が出てから気づくため、重症化しやすいのが特徴です。この不顕性誤嚥がもっとも危険性が高いため、嚥下検査を日頃から行い、不顕性誤嚥の有無を把握しておくことをお勧めします。