肺炎リスク肺炎が高い人・悪化しやすい人とは

1 .糖尿病患者

好中球とは細菌が侵入してきたときに、それを排除する免疫機能を持つ白血球です。
糖尿病で血糖値が高くなると、好中球の機能が低下することによって、免疫機能が低下し、細菌にやられて肺炎を起こしやすくなります。

2 .慢性閉塞性肺疾患患者

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、気道の炎症と肺胞の破壊が起こるため、炎症性サイトカインというたんぱく質も多くなります。
そして、病状の進行とともにウイルス、細菌による感染、肺炎を合併しやすくなり、急激に悪化することがあります。COPDが進行し、「食欲不振になる」「やせる」「活動性が低下する」などが起こることによって栄養状態不良となり、肺炎を合併しやすくなります。

3 .脳梗塞患者

大脳基底核という場所は脳梗塞を発症しやすい場所です。
大脳基底核の障害は、ドーパミン産生の低下を引き起こし、嚥下反射やせき反射を低下させます。
その結果として、誤嚥をしやすくなり、誤嚥性肺炎を繰り返しやすくなります。

4 .腎臓病患者

腎臓病になると、たんぱく・塩分・カリウムなどの摂取制限しなければならないため、栄養やカロリー不足を生じることになる。
その結果、「免疫低下」「低栄養」「貧血」などが起こすようになります。
よって、細菌感染しやすくなり、肺炎リスクが高まります。また、人工透析を行なっている場合、さらに危険性が高まります。

5. 気管支喘息患者

症状を気管支拡張剤などでコントロールできている場合なら問題はありません。
しかし、病状が安定しない場合、気管支が細くなり、痰が貯留しやすくなります。痰には細菌が増えやすいので、肺炎リスクが高まってしまいます。
また、喘息患者が肺炎になると、喘息が悪化してしまい、悪循環に陥ってしまいます。

6. 寝たきり患者

寝たきりになると、筋力が低下がします。それに伴い嚥下能力も衰えてくるため、誤嚥、ひいては誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
肺炎になると、高齢者では体力が落ちてしまい、さらに寝たきり状態が長引くため、さらに肺炎リスクが高まるのである。(肺炎になっているので、さらに肺炎リスクが高まるというのは矛盾ではないでしょうか)

7. 免疫不全、免疫抑制剤を使っている人

高齢者では、癌の治療として抗がん剤を使用している人、また膠原病や間質性肺炎の治療などでステロイド剤や免疫抑制剤を使用している人がいらっしゃいます。
これらは免疫機能を低下させるため、肺炎リスクが高くなります。

8. 喫煙者

タバコによる喫煙は、肺の免疫機能を低下させます。
また、喫煙によってリスクが上昇する慢性閉塞性肺疾患を発症すれば、さらに肺炎リスクは高まります。

9. 中耳炎・副鼻腔炎患者

副鼻腔炎は、副鼻腔気管支症候群という気管支炎や気管支拡張症を併発することがあります。
その場合は痰が溜まりやすくなり、痰には細菌が増えやすいので、肺炎リスクが高まります。

10. 免疫状態が未熟な小児

小児は成人と比較すると免疫機能が高くありません。
成人では風邪程度で済むRSRSウイルス(乳幼児に多い急性の呼吸器感染症)は、小児や高齢者では重症化しやすく、重症化した場合は肺炎を合併する可能性が高まります。
※RSウイルスは、保育所・幼稚園だけでなく、高齢者の長期療養施設でも集団発生することがあります。