最近サルコペニアとかフレイルとか聞くことはありませんか?聞いたことはある方もいるのではないかと思いますが、どんなものかは知らない人も多いと思いますので、ここで説明したいと思います。

サルコペニアとは、加齢に伴う筋力の減少、もしくは老化に伴う筋肉量の減少を言います。このサルコペニアは運動量が少なくなり、運動機能の低下(ロコモティブシンドローム)、転倒、骨折という負のスパイラルを引き起こす可能性があります。骨粗鬆症とサルコペニアは合併することが多く、合併すると転倒や骨折の危険性はより高まります。

一方フレイルとは、老化に伴う様々な機能低下(予備能力の低下)により、健康障害に陥りやすい状況を指します。

サルコペニアもフレイルも、加齢に伴う機能低下を意味することでは一緒ですが、この2つはどう違うのでしょうか?

サルコペニアは、筋肉量減少を主体として、筋力、身体機能の低下を意味しているのに対して、フレイルは、移動能力、筋力、バランス、運動処理能力、認知機能、栄養状態、持久力、日常生活の活動性、疲労感など、非常に広い要素が含まれています。フレイルの診断基準としては、以下の要素が挙げられています。

フレイルの診断基準

①体重が減少
②歩行速度が低下
③握力が低下
④疲れやすい
⑤身体の活動レベルが低下
これら5つのうち、3つが当てはまるとフレイルとみなされます。

※ 日本では、記憶力の低下なども考慮した評価表を検討中

日本老年医学会,大内尉義総監修:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A.より引用

以上サルコペニアとフレイルに関してお話しましたが、この2つを予防するにはどうしたら良いのかを次回書きたいと思います。