ごく小さい錠剤やカプセルを、水で飲む。大人なら誰でも出来そうなアクション。
子供なら、薬の風味が気になって、シロップ剤とか...は、わかるのですが。
成人してからでも何らかの原因が有ると、極めて難しくなってしまいます。
加齢・病気・手術などなど。
そんな患者様の服薬に関する工夫とは?

・どうして小さい粒のお薬でも飲めなくなるのか?

加齢(唾液量減少によりスムーズに口から喉へ行かない/飲み込む反射神経が鈍くなる/咽頭の位置が下がってくる)、病気(脳卒中やパーキンソン病で飲み込むのに必要な神経反射が上手く働かなくなる)、口腔の手術(顎の骨の大きい手術で一時的に筋肉や神経が鈍くなる)、
などなどの原因で、嚥下障害すなわち飲み込むのが、極めて難しくなったりするのです。

・では、まず、何に気を付ければいいのか?

通常錠剤やカプセルを飲む際、水と一緒に飲み込むので、普通に頭が後ろに倒れます。
この、ごく当たり前の姿勢。口腔内や、舌の筋肉の緊張を強いられてしまうんです。で、連動して、のどの筋肉及び神経の動きも制限されてしまいます。
健康な時は、そんな現象、気づきもしませんが。
ですが、加齢や病気など、口腔のトラブルがあると飲みにくくなります。
また、口腔と気道が一直線になってしまう為、むせ易くなってしまいます。
この現象は、健康であっても、誰しも体験するでしょうね。
むせる、すなわち誤嚥するのを避ける基本。それは、水分を飲み込む際、頭を後ろに倒すアクションをせずに飲む、と言うものです。
その為には、細くて長いコップなどより、浅く広がった湯飲みを、薬を飲むのに使用すれば、できる限り頭を後ろに傾けなくとも、水で薬を無理なく飲み込めます。
極端には、入院や介護で使用する吸い飲みがベストでしょう。

・水分の形を見直す

水分の形、ここに注目して、むせない様に調整していきます。
そもそも、水やお茶みたいな100%液体は、例えば、ごはんや煎餅の様な固形物などより、口腔からのどへ、速い速度で到達します。
早く喉へ行ってしまう水。嚥下困難の状態ですと、飲み込むのに要る反射が働かない/遅れるので、タイミングが合わず食道に行って欲しい水が気管に入りがち。で、むせるのです。
或いは、薬を水で飲めた感じはしたとしても、実は飲み込みが上手くいかないので、錠剤のみ口腔中に残留するケースも。そうなりますと、錠剤は水分100%ではない服薬ゼリー等で服用するようにすれば、むせずに喉に、つるりと行きます。

・錠剤やカプセルの剤形を変える

錠剤を服薬ゼリーと一緒に、お口に入れ易い小さ目のスプーンで、入れていきます。
それでも、飲めない場合。錠剤を砕いて乳糖やデンプンで賦形したモノを、服薬ゼリーと一緒に、混ぜて飲んでもらいます。
服薬ゼリーは、薬局・ドラッグストアで、よくあります。
ただし、粉砕が適切でない薬剤もあって、困ったものです。
とりわけ、徐放性製剤・腸溶性製剤は、粉砕のみならず、飲みやすいよう2分の1とか分割ですら体内動態が変化。効き目が悪くなったりもするのです。
そんな場合は、口腔内崩壊錠:OD錠などに、医師に相談して変更してもらいます。
あるいは、先発医薬品と同じ成分で後発医薬品において、先発品より粒が小さな薬剤、あるいは先発品に無かった剤形のバリエーションがあったりもします。

まとめ

加齢や病気で、口腔のトラブルがあると、お薬が飲みづらいコンディションになってしまいます。
お薬が飲めないと、治療にダイレクトに響きます。お薬、実は飲み辛いんだけど。と思ったら、スグ、医師・薬剤師に相談してください。