こんにちは、皆さんの施設では利用者のBMIはどのくらいですか?
目標BMI 男性:22~28 女性:22~25
この健康寿命を最大にするBMI(体重(Kg)/身長(㎡))はまだ明確に決まりはありません。しかし平均寿命とBMIの関係は明らかになってきています。
①BMI22以上のグル―プで平均寿命が長い ②高齢になるほどBMIが高めという2点が結果です。
標準体重を切ったグループではBMIが低いほど死亡率が上昇します。また痩せている人ほど肺炎死亡が多いということも知られています。
ですので、高齢者が嚥下障害を引き起こす事が多いので、高めにBMIを設定した方が良いと思われます。そこで、男性は22~28、女性は22~25を目標とします。
一方、急激な体重減少は生命予後に関わってきますので、短期間に一気に体重減少が起きないように管理する必要があります。
特に高齢者は体重が減りやすいので、体重増加を行うためには十分なエネルギー投与と運動療法を早期に取り入れることが肝要です。
投与栄養は多めに(2000Kcalを目安に)
ある病院の回復期リハ病棟入院中の脳卒中患者を対象にした場合、10歳ごとの年齢階層別の摂取量と体重変化についての結果は体重変化のない栄養摂取量はどの年齢層もほぼ同じで2,000Kcal前後とのことでした。また、栄養摂取量とHbA1cn変化量には相関関係は認めず。むしろHbA1cは低下傾向とのことでした。
以上からすると、どの年齢でも2,000Kcalを一つの目安にして栄養投与を行うといいのではないでしょうか。しかし、人によって活動量が多かったり、体重が増減したり、空腹感があったりとまちまちですので、投与栄養量2000Kcalを目途にして増減するといいでしょう。
計画栄養量達成までの期間は5~7日
さて、経腸栄養を優先するべきと考えられていますが、経口摂取や経管栄養で計画した必要栄養量が摂取できない場合にはどうしたらよいでしょうか?
栄養量が少ないと、栄養障害が進行します。また、ICUでの栄養摂取量が少ないと合併症が増えるという報告があります。一方、ICU入室48時間以内からの糖質輸液によるエネルギー補充は8日目から開始する群と比較して、生存率や感染症発生率が劣ったと報告されています。また、慢性的な栄養障害疾患患者に対する急速な栄養投与で生じるRefeeding症候群については、ガイドラインでは計画量の半分から開始して、5~7日にかけて計画した栄養量に到達する方法を勧めています。このことから、計画栄養量を経腸栄養で摂取できないケースや慢性栄養障害ケースでは、計画量の半分から始めて、モニターをしながら7日程度で計画栄養量を達成するプログラムが推奨されます。
いかがでしたでしょうか?皆さんの施設では、高齢者だからと言って少ないカロリー(1,000Kcal前後)で大丈夫だと考えていませんか?
高齢者でも約2,000Kcalを提供しないと、栄養障害が惹起され、誤嚥性肺炎などの原因となる可能性があります。今一度栄養摂取量の見直しを検討してみて下さい。