みなさんは、アナボリックレジスタンスという言葉をご存知でしょうか。ところで、アナボリックとはなんでしょうか。これは日本語でいうと、「同化」と言います。「同化」とは生物がエネルギーを吸収して物質を合成する反応のことです。一方で、この反対の用語を「異化」といい、物質を分解してエネルギーを得ることで、これらを合わせて代謝と呼びます。
 「同化」はエネルギーを必要としており、年齢に関連します。よく、ちまたでも歳を取ったから代謝が悪くなったとかいいますが、それはこの同化や異化のエネルギー量が少なくなるからです。高齢者になると、「異化」に対する抵抗力が強くなり物質を合成しにくくなります。これが「アナボリックレジスタンス」です。
 筋肉にはたんぱく質が必要です。運動後にはたんぱく質が減少しますので、たんぱく質を摂ることで筋肉の開腹を早めます。しかし、高齢者になるとアナボリックレジスタンスがあるため、たんぱく質同化に対して抵抗性があり、取り込む量を多くしないといけません。ですので、低アルブミンの方には多くのたんぱく質量が必要となるわけです。したがって、ただ単にたんぱく質を投与すればいいわけではありませんので、要注意です。